国土交通省が平成30年3月27日に公表した(平成30年)2018年1月1日時点の公示地価によると住宅地が10年ぶりに上昇し、商業地は3年連続上昇となった。
全国・全用途平均は0.7%上昇と、リーマンショック以降初めて上昇に転じた16年から3年連続での上昇となった。
用途別では、住宅地が0.3%上昇と、10年ぶりに上昇に転じた。
商業地は1.9%上昇と3年連続の上昇。
外国人観光客の増加による店舗とホテル需要の高まりや、都市中心部での再開発進展による繁華性向上、主要都市でのオフィス空室率低下による収益性向上などを背景に、不動産需要が旺盛で地価は堅調に推移した。
三大都市圏は、住宅地は0.7%の上昇(前年は+0.5%)、商業地は3.9%の上昇(+3.3%)と、ともに5年連続で上昇し、上昇幅も拡大した。
東京圏は住宅地が+1.0%(+0.7%)、商業地が+3.7%(+3.1%)。大阪圏は住宅地が+0.1(+0.0%)とわずかな上昇に留まったが、商業地は+4.7%(+4.1%)と、三圏で最も高い伸びを示した
名古屋圏は住宅地が+0.8%(+0.6%)、商業地が+3.3%(+2.5%)だった。
最寄駅からの距離別の平均変動率をみると、三大都市圏の住宅地では、最寄駅からの距離が近いほど上昇し、遠いほど下落。近年その傾向がより鮮明になり、二極化が進む。東京圏、名古屋圏、大阪圏の順により鮮明になっている。
地方圏は住宅地で△0.1%(△0.4%)と下落幅が縮小。
商業地は+0.5%(△0.1%)と、26年ぶりに上昇に転じた。
全用途でも+0.0%(△0.3%)と下落を脱した。
このうち、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の地方中核都市は、住宅地が+3.3%(+2.8%)、商業地が+7.9%(+6.9%)、全用途が+4.6%(+3.9%)と、三大都市圏を上回る上昇をみせた。
また、地方圏のその他の地域では下落幅が縮小した。
都道府県別の変動率をみると、住宅地は、北海道と大阪府、佐賀県、大分県、熊本県で下落から上昇に転じ、上昇の都道府県数は16都道府県となった。
沖縄県が+5.5%(+3.0%)、宮城県が+2.7%(+2.4%)、東京都が+2.4%(+1.9%)など。
2.0%の下落から2.0%の上昇までの範囲に収まる都道府県数は08年が17道府県なのに対し、18年は44道府県と、広く緩やかな上昇傾向となっている。また、2%以上下落した都道府県数は0県となった。
商業地は、長崎県と大分県、熊本県が下落から上昇に転じ、上昇の都道府県数は21都道府県となった。
京都府が+6.5%(+4.5%)、沖縄県が+5.6%(+3.2%)、東京都が+5.4%(+4.7%)など。
京都府と沖縄県が全都道府県のなかで初めてリーマンショック前の水準まで回復した。
<公示地価 前年比変動率(住宅地と商業地)>2018.1.1
用途 | 圏域 | 平成26 | 平成27 | 平成28 | 平成29 | 平成30 |
住宅地 | 東京圏 | 0.7 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 1.0 |
大阪圏 | △ 0.1 | 0 | 0.1 | 0.0 | 0.1 | |
名古屋圏 | 1.1 | 0.8 | 0.8 | 0.6 | 0.8 | |
三大都市圏平均 | 0.5 | 0.4 | 0.5 | 0.5 | 0.7 | |
地方平均 | △ 1.5 | △ 1.1 | △ 0.7 | △ 0.4 | △ 0.1 | |
全国平均 | △ 0.6 | △ 0.4 | △ 0.2 | 0.0 | 0.3 | |
商業地 | 東京圏 | 1.7 | 2 | 2.7 | 3.1 | 3.7 |
大阪圏 | 1.4 | 1.5 | 3.3 | 4.1 | 4.7 | |
名古屋圏 | 1.8 | 1.4 | 2.7 | 2.5 | 3.3 | |
三大都市圏平均 | 1.6 | 1.8 | 2.9 | 3.3 | 3.9 | |
地方平均 | △ 2.1 | △ 1.4 | △ 0.5 | △ 0.1 | 0.5 | |
全国平均 | △ 0.5 | △0 | 0.9 | 1.4 | 1.9 |
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