国土交通省が平成27年3月18日に公表した(平成27年)2015年1月1日事業点の公示地価によると全国の地価は住宅地で前年比0.4%下落と前年に比べて下落幅が縮小し、商業地は横ばい(0.0%)に転換しました。
三大都市圏では住宅・商業ともに上昇し、地方では下落率が縮小しています。
住宅地では低金利や住宅ローン減税策などによる住宅需要の下支え、株価上昇による資産効果や相続対策による共同住宅への需要、商業地では主要都市における店舗消費の堅調さ、賃料改善による投資不動産への需要の強まりから上昇地域が増加しています。
三大都市圏の住宅地の地価は0.4%の上昇(+0.5%)で、東京圏が+0.5%(+0.7%)、大阪圏が0.0%(△0.1%)、名古屋圏が+0.8%(+1.1%)。3大都市圏の商業地は1.8%の上昇(+1.6%)で、東京圏が+2.0%(+1.7%)、大阪圏が+1.5%(+1.4%)、名古屋圏が+1.4%(+1.8%)。
東京23区の住宅地は引き続き全ての区が上昇し、千代田区、中央区、港区、新宿区、品川区のほか、武蔵野市、千葉県の木更津市と富津市が3%以上の上昇となっています。
東京圏の住宅地の上昇率トップ10に食い込んだのは港区、中央区、木更津市の各地点。
木更津は大型商業施設の相次ぐ進出による利便性の向上に加え、土地の値頃感から対岸の神奈川からの流入もあり引き続き高い上昇を維持しています。
商業地は都区部全体で3.4%上昇(2.7%上昇)と引き続きプラス。
都心3区はいずれも5%以上上昇、中央区は7.2%上昇。
新宿・渋谷のほか、豊島、文京、品川といった周辺区も3%以上上昇したほか、武蔵野市、立川市、さいたま市大宮区、川崎市高津区・中原区など4区、横浜市西区など3区も3%以上上昇、地価上昇は確実に郊外へと広がっています。
大阪圏の住宅地は上昇・横ばい地点が増加し6割強となり、変動率は下落から横ばいに転換しました。
大阪市中央区と神戸市灘区で3%以上の上昇となっています。
商業地は前年より上昇率が大きくなり、2年連続の上昇。
大阪市中心部では賃料上昇やマンション素地需要、天王寺区などで再開発効果、京都市で観光需要の増加などから3%以上の上昇地点が増加。
名古屋圏では、名古屋市の住宅地が+1.7%(+2.6%)、西三河地域では地域経済が好調で依然上昇基調です。
<公示地価 前年比変動率(住宅地と商業地)>2015.1.1
用途 | 圏域 | 平成23 | 平成24 | 平成25 | 平成26 | 平成27 |
住宅地 | 東京圏 | △ 1.7 | △ 1.6 | △ 0.7 | 0.7 | 0.5 |
大阪圏 | △ 2.4 | △ 1.3 | △ 0.9 | △ 0.1 | 0 | |
名古屋圏 | △ 0.6 | △ 0.4 | 0 | 1.1 | 0.8 | |
三大都市圏平均 | △ 1.8 | △ 1.3 | △ 0.6 | 0.5 | 0.4 | |
地方平均 | △ 3.6 | △ 3.3 | △ 2.5 | △ 1.5 | △ 1.1 | |
全国平均 | △ 2.7 | △ 2.3 | △ 1.6 | △ 0.6 | △ 0.4 | |
商業地 | 東京圏 | △ 2.5 | △ 1.9 | △ 0.5 | 1.7 | 2 |
大阪圏 | △ 3.6 | △ 1.7 | △ 0.5 | 1.4 | 1.5 | |
名古屋圏 | △ 1.2 | △ 0.8 | △ 0.3 | 1.8 | 1.4 | |
三大都市圏平均 | △ 2.5 | △ 1.6 | △ 0.5 | 1.6 | 1.8 | |
地方平均 | △ 4.8 | △ 4.3 | △ 3.3 | △ 2.1 | △ 1.4 | |
全国平均 | △ 3.8 | △ 3.1 | △ 2.1 | △ 0.5 | 0 |
<スポンサーリンク>