国土交通省が平成26年3月18日に公表した(平成26年)2014年1月1日時点の公示地価によると全国の地価は住宅地で前年比0.6%下落、商業地は0.5%下落となったが、いずれも前年調査と比べて下落率は縮小しました。
上昇地点の割合数は全国的に増加し、3大都市圏では住宅地の約1/2、商業地の約2/3の地点が上昇しました。
地方は住宅地・商業地ともに下落率が縮小。
住宅地では住宅ローン減税拡充などの施策や、低金利の継続による住宅需要の拡大、商業地では景況感改善に伴う消費拡大や、オフィス空室率の改善により、賃料に上昇傾向がみられる地域が増加しました。
3大都市圏の住宅地の地価は0.5%の上昇(前年調査0.6%下落)で、東京圏が+0.7%(△0.7%)、大阪圏が△0.1%(△0.9%)、名古屋圏が+1.1%(0.0%)。3大都市圏の商業地は1.6%の上昇(△0.5%)で、東京圏が+1.7%(△0.5%)、大阪圏が+1.4%(△0.5%)、名古屋圏が+1.8%(△0.3%)。
景況感・消費マインド改善により都心商業地の店舗やS・Aクラスビルの賃料が供給不足により反転上昇し、不動産投資市場の過熱化に加え、マンション素地としての需要も加速しました。
東京23区の住宅地は全ての区で上昇。
マンション素地としての希少性が高い千代田区、中央区、港区がそれぞれ5%を超える上昇となっています。
東京圏の住宅地の上昇率が高かったのは湾岸地区。
1位から4位までを東京・中央区の勝どき、佃、月島の地点が占め、いずれも10%以上の上昇となりました。
江東区・豊洲もトップ10入りした。
大手デベロッパーによる新築マンションの耐震・液状化対策や値頃感のある販売価格がユーザー回帰に繋がりました。
都心3区以外に東京圏で3%以上上昇したのは川崎市中原区、横浜市港北区および都筑区、千葉県君津市。
商業地は都区部全体で2.7%上昇(0.4%下落)と反転。都心3区はいずれも4%以上の上昇。
新宿・渋谷のほか、武蔵野市、さいたま市大宮区、横浜市西区など郊外でも3%以上の上昇を記録しました。
大阪圏の商業地は後半上昇が加速。
オフィス空室率の改善やマンション素地需要から大阪市が+3.6%(△0.1%)、西区と天王寺区はそれぞれ6%の上昇となっています。
京都市と神戸市も上昇。
一方で住宅地は回復途上にあり、3%以上の上昇となったのは神戸市灘区のみ。
名古屋圏では、好調な地元経済により名古屋市の住宅地が+2.6%(+0.4%)、西三河地域では西尾市以外すべての市町が上昇しました。
被災3県を除いた全圏域・全用途別の上昇率トップは名古屋市中村区椿町(商業地)の+12.0%。
地方圏では住宅地・商業地ともに約3/4の地点が下落したが、年後半はいずれも下落率が縮小しました。
<公示地価 前年比変動率(住宅地と商業地)>2014.1.1
用途 | 圏域 | 平成22 | 平成23 | 平成24 | 平成25 | 平成26 |
住宅地 | 東京圏 | △ 4.9 | △ 1.7 | △ 1.6 | △ 0.7 | 0.7 |
大阪圏 | △ 4.8 | △ 2.4 | △ 1.3 | △ 0.9 | △ 0.1 | |
名古屋圏 | △ 2.5 | △ 0.6 | △ 0.4 | 0 | 1.1 | |
三大都市圏平均 | △ 4.5 | △ 1.8 | △ 1.3 | △ 0.6 | 0.5 | |
地方平均 | △ 3.8 | △ 3.6 | △ 3.3 | △ 2.5 | △ 1.5 | |
全国平均 | △ 4.2 | △ 2.7 | △ 2.3 | △ 1.6 | △ 0.6 | |
商業地 | 東京圏 | △ 7.3 | △ 2.5 | △ 1.9 | △ 0.5 | 1.7 |
大阪圏 | △ 7.4 | △ 3.6 | △ 1.7 | △ 0.5 | 1.4 | |
名古屋圏 | △ 6.1 | △ 1.2 | △ 0.8 | △ 0.3 | 1.8 | |
三大都市圏平均 | △ 7.1 | △ 2.5 | △ 1.6 | △ 0.5 | 1.6 | |
地方平均 | △ 5.3 | △ 4.8 | △ 4.3 | △ 3.3 | △ 2.1 | |
全国平均 | △ 6.1 | △ 3.8 | △ 3.1 | △ 2.1 | △ 0.5 |
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