国土交通省が平成23年3月に公表した(平成23年)2011年1月1日時点の公示地価によると平成22年を通して全国的に地価下落の基調は変わらなかったものの、下落幅は縮小し、上昇や横這いの地点が増加する結果となりました。
全国平均では、住宅地△2.7%、宅地見込地△4.9%、商業地△3.8%、準工業地△2.9%、工業地△3.2%、市街化調整区域内宅地 △3.2%となっています。
大都市圏では、前回は見られなかった東京圏での上昇地点や大阪圏での上昇・横ばい地点が現れ、名古屋圏での上昇・横ばい地点の伸びが著しくなっています。
地方圏でも、大都市圏ほどではないものの上昇・横ばい地点が増え、前回は見られなかった商業地の上昇地点が現れました。
公示価格は毎年1月1時点の価格を示すため、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の被害は、福島第1原発の損傷による影響などを含め、公示価格に反映されていません。
地価下落が縮小した要因は、平成20年秋のリーマン・ショック以降約2年に及ぶ価格調整が進み、住宅地では値頃感の醸成、マンション販売の回復傾向が顕著で、商業地でもオフィスの賃料調整、商業地でのマンション立地、企業収益の回復、資金調達環境の好転、リート市場の回復などが挙げられます。
さらに平成22年秋以降の日銀の不動産市場への積極的な介入も影響しています。
<公示地価 前年比変動率(住宅地と商業地)>2011.1.1
用途 | 圏域 | 平成19 | 平成20 | 平成21 | 平成22 | 平成23 |
住宅地 | 東京圏 | 3.6 | 5.5 | △ 4.4 | △ 4.9 | △ 1.7 |
大阪圏 | 1.8 | 2.7 | △ 2.0 | △ 4.8 | △ 2.4 | |
名古屋圏 | 1.7 | 2.8 | △ 2.8 | △ 2.5 | △ 0.6 | |
三大都市圏平均 | 2.8 | 4.3 | △ 3.5 | △ 4.5 | △ 1.8 | |
地方平均 | △ 2.7 | △ 1.8 | △ 2.8 | △ 3.8 | △ 3.6 | |
全国平均 | 0.1 | 1.3 | △ 3.2 | △ 4.2 | △ 2.7 | |
商業地 | 東京圏 | 9.4 | 12.2 | △ 6.1 | △ 7.3 | △ 2.5 |
大阪圏 | 8.3 | 7.2 | △ 3.3 | △ 7.4 | △ 3.6 | |
名古屋圏 | 7.8 | 8.4 | △ 5.9 | △ 6.1 | △ 1.2 | |
三大都市圏平均 | 8.9 | 10.4 | △ 5.4 | △ 7.1 | △ 2.5 | |
地方平均 | △ 2.8 | △ 1.4 | △ 4.2 | △ 5.3 | △ 4.8 | |
全国平均 | 2.3 | 3.8 | △ 4.7 | △ 6.1 | △ 3.8 |
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